【校長講話】二学期終業式
今年も様々な話題がありましたが、その中でテレビのワイドショーが最も長時間扱った話題といえば、多分大谷翔平選手ではないかと思います。加えて所属するメジャーリーグの名門ドジャースの話題も数多く取り上げられていました。それほど、大谷選手の今季の活躍は圧倒的でした。
そこで、今日は「ドジャース」の話から始めようと思います。
ドジャースといえば、もともとはニューヨークのブルックリンにあった球団ですが、まだ黒人差別が当たり前の時代にメジャーリーグで初めて黒人選手と契約したチームとして知られています。当時のオーナーは、「人は全て平等であるべき」でメジャーリーグから世の中を変えていくと決意していたといわれます。そして、1947年4月15日に初の黒人選手がドジャースでメジャーリーグデビューを果たしますが、その選手こそジャッキー・ロビンソン選手です。ただ、デビュー後しばらくは観客から汚いヤジが飛び、新聞にも非難記事が飛び交っていたそうです。でも、そんなロビンソン選手をチームメートが支え続けます。そして、チーム一番といえる守備とバッティングで活躍する姿に観客の反応も徐々に変化していきます。そして、チームも1955年に初のワールドシリーズ優勝を成し遂げます。
ところで、人種差別の激しい世の中にあって、チームメートや観客はなぜロビンソン選手を受け入れられたのでしょう。それは、誰が打ってもホームランはホームランというように、ルールが平等に適用されるベースボールの世界だからこそではないか。そう指摘されています。
現在、メジャーリーグ全球団がロビンソン選手の功績を称え、その背番号42はすべての球団が永久欠番としています。また、毎年4月15日は「ジャッキー・ロビンソンデー」として、メジャーリーグ全選手が背番号42をつけてプレーする日になっています。
ドジャースの現在の本拠地はご存じLA(ロサンゼルス)ですが、人口1000万人の西海岸最大にして移民の多い街の球団として、観客や地域コミュニティとつながることが社会的責任であり義務であるとして、様々な地域貢献事業を展開しているそうです。
さて、なぜジャッキー・ロビンソン選手は受け入れられたのか、メジャーリーグ・ベースボールはなぜこのような改革ができたのかについて、今一度おさらいしてみます。
その答えは、野球、スポーツにはルールがあるからである。選手はみんな、野球のルールに納得してプレーします。そこに一つの規範があるわけです。だからその規範の下でなら、みんなが繋がれるということです。この点で、スポーツは社会より先を行っているわけです。ルールがあるから、普段はなかなか理解し合えない人とも理解し合えるようになる。そういうことです。そう考えるとルールとは素晴らしいものだし、ルールはとても大事だということがわかります。
世の中、社会にも守るべきマナーがありルールがあります。人は誰でも自分の思うようにやりたいし、身勝手なところも持っています。文化や習慣、宗教などが異なれば、考え方も様々です。でも、もしもそれぞれが自分の都合だけで動いたり、身勝手に自分の主義主張ばかりを押し通していては、社会は秩序が壊れてとんでもない状況になってしまう。だから、人間社会においてはルールやマナーといったものが必要で、それにより安心して生活できる秩序が維持されているわけです。互いを認め、信頼し、みんなが居心地の良い生活を送るための知恵と言ってもいいかもしれません。現代は多様性ある社会の実現を目指している、となればなおさらです。
年の瀬にあたり、今日は選手がルールを納得してプレーするスポーツの素晴らしさから、人間社会におけるルール、マナーの大事さについて話をしました。社会を構成する一員として、みんなが居心地良く生活できる社会について、考えてみてもらえればと思います。
年末年始には、それぞれに楽しみなイベントが待っていることと思います。健康管理にはくれぐれも注意して、元気で新年をお迎えください。